家屋解体や内装解体・原状回復・スケルトン工事の分からないが分かる「解体の教科書」

店舗の解体工事(スケルトン工事)の注意点

店舗の解体工事(スケルトン工事)の注意点

店舗の解体工事(スケルトン工事)の注意点

借りていた飲食店や美容室などの店舗を明け渡す際は、原状回復工事が必要になります。
これは、契約に従ってテナントを入居前の状態に戻し、オーナー側に返却するためのものです。
入居の際に新装した設備や内装は、基本的に全て解体し、何もない状態(スケルトン)にしなくてはなりません。
こうした店舗解体では、工事前にいくつかのポイントを踏まえておくことで、余計なトラブルや費用の増大を防ぎやすくなります。
今回は、店舗解体の際の注意点について詳しく解説していきます。

1.構造や配管等を詳しく把握しておく

店舗の解体を行う際は、通常まず、解体業者に現地調査をしてもらいます。
業者は、店舗の構造等を確認した上で見積もりを出すことになりますが、その時目視では十分チェックできない部分もあります。
例えば、コンクリートの正確な厚みや配管の位置などは、外から見ただけで全て把握できるわけではありません。実際に解体工事を始めてみると、思った以上にコンクリートの厚さがあったり、配管が思わぬ場所に通っていたなどの事態も多々あります。
そうした場合、工事の予定が狂って、追加費用を請求されることも少なくありません。こうしたトラブルを防ぐためにも、見積もりを取る前に、現状についてなるべく詳しく把握しておいた方が良いでしょう。
図面や新装工事の写真などを元に、建物の構造やコンクリートの厚さ、配管や電気配線の位置に至るまで、できるだけ細かくチェックすることが大切です。こうしておくことで、可能な限り正確な見積もりを取ることができ、無駄な費用を省きやすくなります。

2.解体範囲を事前に確認しておく

店舗の解体の際、気をつけたいのが、オーナーへの解体範囲の確認です。
解体業者に見積もりを取る前に、どこまで原状回復するか、工事範囲についてオーナーに確認しておかなくてはなりません。
新装工事の際、施主が新たに取り付けた間仕切りや照明でも、オーナーの意向で残すことになる場合もあります。場合によっては、契約でスケルトン返却とされていても、オーナー側の都合で設備を残すことも考えられます。
こうした場合は、オーナー側の要望に沿うことはもちろん、施主にとっても解体費用を抑えることにつながりますから、両者にとって重要なポイントです。そのためにも、オーナー立会いの元で、範囲についてしっかり確認しておきましょう。
また、オーナーに工事範囲の確認を取ることは、費用面だけではなく、工事後のトラブルを避ける上でも重要です。

3.解体の確認事項を文書に残す

上記の注意点とも関連しますが、現地調査の際の取り決め事項は、きちんと文書にしておくことが大切です。
店舗解体で起こりやすいトラブルに、テナント側とオーナー側の意見の食い違いがあります。
現地調査の際、管理会社から残してよいと言われたものが、後でオーナー側からNGとされることも少なくありません。その場合、余分な費用を払って追加工事を行わなくてはならない場合もあります。
こうしたトラブルは、立会いの際の取り決めが、口頭によるものだけだった場合に起こりやすくなっています。「言った、言わない」の水掛け論を避けるためにも、オーナーに現地調査に立会ってもらうのはもちろん、その際の確認事項をしっかり文書に残しておきましょう。
こうすることで、余計なトラブルを避けやすくなります。

4.移転費用も考え、余裕を持って見積もりを取る

店舗解体では、見積もりを取る時期にも注意が必要です。通常の解体と比較しても、店舗解体はスケジュールの縛りが多くなっています。
契約によって店舗の返却期限が決められていますから、テナント側はそれまでに解体を完了させなくてはなりません。
しかし、解体工事は手順や作業時間が決まっているため、どうしてもある程度の日数が必要になります。そのため、返却予定の直前になって見積もりを依頼しても、業者によっては引き受けてもらえない場合もあります。
こうした場合、明け渡しが契約期限を過ぎて違約金を取られたり、粗雑な工事でトラブルが発生しやすくもなります。このようなことのないよう、施工時期を決めた段階で、見積もりはなるべく早めに取っておきましょう。
特に店舗移転などの場合は、移転費用を計算する上からも、早めの見積もりを依頼しておいた方が良いでしょう。

5.短期間での解体工事は費用が嵩むことも

前述のように、店舗の返却に際しては、契約で返却期限が設けられています。
当然、店舗解体もその期限までに行わなくてはなりませんが、テナントの都合によっては、期限ぎりぎりまで営業を続けたいという場合もあります。
しかし、あまり工期に余裕がなさすぎると、トラブルやコスト増大のリスクが高くなります。突貫工事によってあちこちに無理が生じ、ミスや事故などが発生しやすくなりますし、作業員増大の必要から、費用が高額になることも考えられます。
また、無理な工事から近隣へ迷惑をかけてしまい、苦情などのトラブルに発展することもあり得るでしょう。
こうしたことからも、店舗解体は余裕をもって計画しておくことが重要です。
少なくとも、工事開始の一ヵ月前には現地調査をしてもらい、無理のない工期を確保しておきましょう。

6.什器や厨房設備の処分

店舗の解体に伴って、処分の必要があるのが、什器やさまざまな設備類です。
飲食店にはテーブル、椅子、厨房機器などが付き物ですし、美容室やサロンでは、シャンプー台など諸々の設備が残されます。
これらの設備は、リースのものについては返却することになりますが、自前のものは移転先で使用したり、あるいは買い取りや廃棄などの処分が必要となります。もしもそのまま放置していると、解体時に業者によって廃棄処分され、その分の処理費用を請求されることもあります。
こうしたことからも、使う予定のない什器や設備類は、自身で廃棄するかまたは買い取り業者に引き取ってもらった方が良いでしょう。
このような設備には高額なものも少なくありませんから、買い取りに出すと、その分費用的なメリットがあります。
また、こうした買い取り等の設備を工事までに搬出できない場合には、誤って廃棄されないよう、事前に解体業者に伝えておくことも大切です。