家屋解体や内装解体・原状回復・スケルトン工事の分からないが分かる「解体の教科書」

悪徳解体業者の13の手口

悪徳解体業者の13の手口

悪徳解体業者の手口

解体工事を依頼する人のほとんどは、解体業者についてそれほど詳しい知識がないはずです。
もちろん、きちんと法律やマナーを守って工事を行う解体業者も多くいますが、中にはそうした施主の知識不足につけこみ、さまざまな問題を引き起こす悪徳業者も存在します。そうした業者に引っかからないためには、あらかじめ悪徳業者が行いやすい手口を知っておく必要があるでしょう。
今回は、悪徳解体業者が行う可能性のある13の手口について、詳しく解説していきます。

1.安い見積もりを出し、追加費用を請求する悪徳解体業者

解体業者に工事を依頼する際、必ず必要になるのが見積書です。
見積書は業者ごとの料金の違いを比較したり、工事にどれくらいの費用が必要になるかを把握するために欠かせません。
依頼する側としては、当然少しでも安い業者を選びたいところですが、安さばかりを基準にするのは危険です。なぜなら、最初に安い見積もりを提示し、実際には後から追加料金を請求してくる悪徳業者が存在するからです。
解体工事において追加料金が発生するケースは珍しくありませんが、悪質な業者になると最初から高額な追加請求を出す前提で、まずは極端に安い見積もりを見せておくという手口を用います。ほとんどの施主は解体の見積もりに慣れていませんから、こうした手口に引っかかることも珍しくありません。
このように、ほかの業者と比べて極端に安い見積もりを提示する業者には、気をつけた方が良いでしょう。

2.安い見積もりを出し、不法投棄をする悪徳解体業者

上記の手口に通じるものですが、安い見積もりを出して仕事を請け負った後、不法投棄をして経費を不当に削減するという業者が存在します。
解体工事においては、コンクリートのガラや木くずといった廃棄物が必ず発生します。こうした廃棄物は、処理場に運んで再利用などの処理を行うことが、廃棄物処理法によって義務付けられています。
しかし、こうした法律を守らず、廃棄物を森林などに投棄してしまう悪徳業者も残念ながら未だに存在します。処理費の支払いを逃れ、利ざやを稼ぐのがその目的ですが、当然こうした行いは違法行為として罰則が規定されています。
前述のように、他社と比べてあまりに安い見積もりを出す業者は要注意でしょう。

3.近隣トラブルを起こす解体業者

解体工事で起こりがちなのが、近隣とのトラブルです。
解体工事では、どうしても騒音や振動、粉塵などが発生してしまいます。そのため、工事現場の周囲には、防塵シートや防音パネルを設置しておかなくてはなりません。しかし、悪徳業者になると、こうしたものの設置を怠るところがあります。そのため周囲に粉塵や騒音が拡散し、場合によっては損害賠償を請求されることもあり得ます。
また、作業員の態度やマナーが問題となり、近隣とのトラブルに発展するというケースも少なくありません。タバコの吸い殻を所かまわず捨てたり、休憩中大声で話す、クレームに対し脅迫的な態度に出るなどの迷惑行為を行う作業員もいるようです。さらに、近隣への事前のあいさつを怠ることも、マナー違反にあたります。
業者との打ち合わせの際には、マナーや服装などについてもチェックしておいた方が良いでしょう。

4.無許可工事を行う解体業者

解体工事を行う業者は、許可あるいは登録が不可欠です。
500万円以上の解体工事を行う際には、建設業法に基づいた許可を得ることが義務付けられています。
具体的には、「建築工事業」、「土木工事業」、「とび・土工工事業」の3つのうち、一つでも許可を得ていれば解体工事が可能となります。
一方、500万円未満の解体工事の場合は、前述のような許可、あるいは建設リサイクル法に基づいた都道府県知事の登録を受けなければいけません。
つまり、こうした許可・登録のない業者が解体工事を行うことは、違法行為となります。
しかし、実際には無許可・無登録の業者が解体工事を行うケースも多く、こうした悪徳業者に仕事を依頼すると、手抜き工事などのトラブルを招く可能性も高くなります。そのようなことのないよう、依頼の前には許可の有無をしっかり確認しておきましょう。

5.解体現場に廃棄物を埋める

前述のように、解体工事で発生した廃棄物は、処理場へ運搬して処分しなければなりません。
しかし、中には廃棄物を、同じ工事現場の地中に埋めてしまう悪徳業者も存在します。これはもちろん不法投棄にあたる行為で、決して許されません。
解体を行った後、建物を新築する場合は、基礎工事の際に地中を深く掘り下げます。この時にコンクリートのガラなどが発見されると、それらを全て撤去しなくてはなりません。その場合、撤去費用について、買主から売主へ賠償請求される恐れもあります。
このように現場に廃棄物を埋める行為は、以前は比較的頻繁に行われていました。以前ほどではないにしろ、残念ながら現在でも、こうした不法投棄をする業者がいくらか見られるようです。廃棄物の処理については、マニフェストを確認するなど注意を怠らないようにしましょう。

6.不法な中間処理場を使用する

これもまた不法投棄の一例ですが、解体業者だけでなく、中間処理施設が廃棄物を不法に投棄する場合もあります。
産業廃棄物の正しい処理経路は、まずは解体現場から中間処理施設へ運搬し、安定化、無害化、資源化などといった処理を行ったあと、残渣を最終処分場へ送り、埋め立てや海中投棄などの処分を行うという流れになります。
しかし、悪質な中間処理業者の場合、廃棄物を最終処理施設へ持ち込まずに、不法投棄や大量保管してしまうところが存在します。このような中間処理業者は、それらのコスト削減によって料金を抑えていますが、悪徳解体業者の場合、そうした実態を知りながら、あえて廃棄物を持ち込むといったケースもあります。
また、無許可の処理業者に処理を委託し、その結果不法投棄につながるといった例も見られます。

7.違法就労させる

違法就労の作業員を利用する悪徳解体業者も存在します。
近年は、外国人労働者が解体作業にあたることも珍しくありません。もちろん、合法的な就労ビザを取得している人がほとんどですが、中には不法残留の外国人を使って作業させる解体業者もいます。さらにはそうした外国人だけでなく、中学生に解体作業をさせるというひどいケースもあるようです。
こうした違法就労は、主に人件費を削減する目的で行われますが、そのために作業の質が低下し、事故が発生する危険も高くなります。
弱い立場の作業員を不当に使い、コストを下げる行為は、法律的にはもちろん、倫理的にも許されるものではありません。例え工事が無事に済んだとしても、問題であることには変わりが無いでしょう。
後でこうしたことが発覚したということがないよう、業者選定はしっかり行っておきましょう。

8.下請業者に丸投げする

解体業を名乗る業者の中には、実際には自身で工事を行わないところも少なくありません。
そうした業者は、工事を請け負っておいて、後は全て下請業者に丸投げするというのが実態です。
こうした業者は「ブローカー」と呼ばれ、全国から仕事を取った後、実際の仕事は地元の各解体業者に割り振ります。
施主としては当然、仕事を依頼した業者が工事の責任を負っていると考えますが、ブローカーは現実には工事を担当しないため、責任の所在があいまいになりがちです。実際に、ブローカーと現場の連携がうまく行われず、施主の意向がしっかり伝わらないというケースも珍しくありません。
このため、工事範囲などで現場との意見の食い違いが起こりやすく、トラブルに発展するケースが多々あります。
ブローカーが全て悪徳業者というわけではありませんが、なるべくなら直接工事を行う業者へ依頼した方が良いでしょう。

9.工事の途中放棄

悪徳解体業者の中には、工事を途中で投げ出してしまうところもあります。この場合、施主から代金をすでに受け取っていることが多く、はじめから工事を完遂する意思がないという悪質な手口です。
また、工事について施主と意見が食い違い、感情的な対立から工事を放棄してしまう業者もいます。その他、工事途中で何らかのトラブルが発生し、対処が困難なことから逃げ出してしまうといったケースもあるようです。
こうした事態を防ぐためには、代金の全額を事前に支払わず、工事後に一括で支払うか、または分割で支払うようにした方が良いでしょう。全額前払いを要求するような業者は、選ばない方が賢明です。
また、工事が遅延した場合の損害賠償について、あらかじめ契約書に盛り込んでおくというのも有効でしょう。

10.近隣への配慮を行わない

前述のように、解体工事は近隣に大きな影響を与えます。
そのため、周辺住民に対するあいさつや説明、工事中のクレーム対応といったことが非常に大事になりますが、実際にはこうした配慮を全く行わない悪徳業者も少なくありません。
特に、近隣への事前のあいさつはクレーム等を抑える上で重要で、一般的な業者であれば必ず行うのが常識です。しかし、悪質な業者はこうした工事前後のあいさつを怠るため、施主が1人で近所を回らなければならないといったことも起こります。
また、工事中にも近隣へあいさつやことわりを入れなければならないケースがありますが、悪徳業者になるとそうした配慮も行いません。
隣の敷地に無断で侵入したり、塀や壁を傷つけても無視するなどといった行為は、施主への悪感情にもつながってしまいます。
最悪の場合、損害賠償を請求させる恐れもあるので、くれぐれも業者の選定には注意が必要です。

11.申請せずに解体を行う

解体工事を行う際には、官公庁に対するさまざまな申請が必要になります。
例えば、延べ床面積が80㎡を超える解体工事の場合、工事の1週間前には役所へ必要書類を提出することが義務付けられています。
これは本来施主が行うべきものですが、一般的には業者が代行して申請するのが通常となっています。
また、やむを得ず重機等を道路上に止める際には、道路使用許可を申請しなくてはなりません。その他アスベスト除去の必要がある場合は、そのための工事計画書や届け出等が必要です。
こうした申請を怠った場合、役所から注意や勧告を受けます。場合によっては施主に対する罰則が適用されることもあるので、注意が必要です。
このような法令順守の意識を欠いた悪徳業者も、解体業者の中には存在します。

12.解体業者の都合による工期遅延

解体工事は、思わぬトラブルが起こって工期が延びることも珍しくありません。
例えば、天候の悪化や地中埋設物の発見などといったケースがそれですが、これらの遅延はやむを得ない事例に当てはまります。
しかし、実際にはこういったケースばかりではなく、業者の一方的な都合による工期の遅延という場合もあります。前の現場の工期が遅れた、人手が集まらない、作業ミスで近所からクレームが入ったなどといった理由は、施主としては納得できないものでしょう。
こうした業者側の都合による遅延にもかかわらず、損害賠償を請求しても応じないなどの悪徳業者も存在します。特に、遅延に関する賠償が口約束だけの場合は、工期がどんどん延びてしまうこともあり得ます。
こういった問題を避けるためにも、契約書を交わす段階で、遅延に対する違約金等についてしっかり取り決めておきましょう。

13.工事範囲が打ち合わせと異なる

解体工事の前には、業者と一緒に現場を確認し工事範囲を打ち合わせておくのが通常の手順です。
しかし、この際の施主の意向が、現場にしっかり伝わっていないというケースもあります。残そうと思っていた庭木を切られたり、逆に撤去を伝えておいたはずの物置が残され、後で追加料金を取られるなどの場合もあります。
工事範囲を明確にするためにも見積書の作成が重要になりますが、悪徳業者の場合、そもそも見積書を提出しないことが少なくありません。
そのため施主が事前の工事範囲を主張しても、「聞いていない」などと水掛け論に発展する確率が高くなります。
こうしたトラブルを避けるためには、まずは複数の業者に見積もりを出してもらいその中から選定することが大切です。
また、現地調査の際だけでなく、着工前にも再度工事範囲について確認しておいた方が良いでしょう。